義理イトコの優ちゃん、39歳で妊娠、3月はじめに40歳で臨月を迎えたんだ。
まあ、高齢出産と言える。
病院側もね、ちょっと手心加えるって思う。
異常分娩とか注意するってあると思う。もう若くはないんだからって、あからさまに態度に表さないけど、そこはベテラン達。
ド〜〜ンと来な!
こっちは、無痛分娩から帝王切開まで、各種取り揃えての品揃い。
40歳だって、ぜってい産ませてやるよって、そんな矜持でもって向かってくる。
そのベテランに対してね、もう優ちゃんだから。
40年生きてくれば、普通はね。その年齢になればこその、なんていうか人生経験ってものがあるって、若い初産婦とは違うって。そう、病院側のベテラン助産婦さんも期待してると思う。
まあ、普通なら大人としての対応できるはずなんだけどね。
まあ、優ちゃんだから。
産婦人科の偉いお医者さんも、ベテラン看護師さんも、何百人取り上げたってスコアラーの助産婦さんも、みなおしなべて知らない事実があった。
優ちゃんは、優ちゃんという別の生き物。地球外生物だからって、私、ひそかに疑っている。
あるいは、遠い過去、ホモ・サピエンスと交雑したけど、結果、絶滅させられたお人好しのネアンデールタール人。かの血を守って生まれたんじゃないかって。そう思っているわけ、密かにだけど。
そういう意味では、夫の親戚。
地球外生物が多すぎて、その筆頭たるのが姑のオババ様。
まあ、それは今回、パソコンの右隣に置いとく。
で、優ちゃん。
39年処女を守りきっての結婚の上に、さらに妊娠をした。
若い子とは経験値が違うって関係者は思うだろうけど。
ふふふ、ホンマもんの天然って、そんな甘いもんじゃんないんでっせ。
根っからの天然に超過保護が加味された水槽のなかで、純粋培養して育った優ちゃん。
私はここに至って、新たなる発見をした。
それも、かなり嬉しい発見だ。
優ちゃんと比べるとね、自分ができる女に見える! ってことだ。
いや、実際はちがうんだけど、コメントで「しっかりしたアメさんがついていて良かった」ってのを読んだとき、私ははっとして気づいた。
そうか、ドジでオッチョコチョイの私でも、こういう子の隣にいると、しっかりして見える。まさしく新発見だった。
しっかり度のベクトル。
優ちゃん>>>>>>私>オババ(姑)
おおおおお!
今後は常に優ちゃんをかたわらに・・・
いやいや、違う。それ、違うから。
私め、いま、危うく尋常なヒトの道、踏み外しそうになりました。
高齢出産の今とは
昨年の厚労省の国内調査で、50歳を超えて無事出産をした人は8人であったそうです。50歳代といえば、更年期に悩む時期、早いひとなら終わっている。ということは、生殖能力からいえば、非常に難しいってことになる。
でも、昨年の日本で40歳を超えての出産をした人は8万人ほどいらした。50歳以上になると、8人と減ることからも、やはり、自然妊娠は45歳くらいが限界なようです。
高齢出産が増え、晩婚化や不妊症やらで、やむおえず高齢出産になった方から、なんとなく高齢出産組と、その幅は広いけど、
けど、義理イトコ、40歳、優ちゃんです。
間違いなく、疑いようもなく高齢出産だから。
しかし、なんだね、世界は広いよね。中国では67歳で出産した女性がいるらしいです。
67歳、お元気です。私、67歳で出産を経験したいかって聞かれたら、速攻で、お断りしたい。
さて、臨月になっているにも関わらず、優ちゃんスタンダートが発動、母親を遠ざけ、産科の病室に閉じこもった優ちゃんの話は先日書きました。
母である叔母を追い出したのは、心配した過保護親が無痛分娩やら妊娠促進剤を進めたらしいからだそうだが。
「産婦人科のお医者様はどういってるの?」と私は不安になって聞いた。「妊娠促進剤をすすめたの?」
「ううん」
って、ほんわか首を振っています。
ええい、わからん。なぜ、叔母はそれをすすめるんだ。出産の主導権も握りたいのだろうか。全て支配できないと気がすまないのだろうか。
実際、優ちゃん。陣痛は来ているらしいけど、というのも、先ほどから、2分おきくらいに、顔をしかめてるから、たぶん、来てる。
でも、それほど痛みがなさそうで平気な顔してる。
でも、優ちゃんだから。
前回、海へのドライブで若い優ちゃんがしでかした武勇伝を書いたけど。
ドライブ先の海での話は書いてない。
優ちゃんって本当に天然で、その上にむっちゃ素直で、泳げない。
海に到着して、まず水に慣れることから泳ぎを教えた夫。
「まず、顔を水につけることからはじめよう」って。
波がザブンザブンと押し寄せる浜近くで、優ちゃん、顔から海に沈んだ。深さは膝あたりで苦しくなったら、すぐ立つことができるほど浅い海。
浮き輪に子供をのせて遊んでいた私。
ふと、気になった。
「優ちゃん、どんだけ海のなかに」
「いや、長い」
「溺れてない?」
その瞬間、海から優ちゃんを引きづり出した夫。
静かに溺れてました。
ありえん!
生存本能がないんかい!
嘘だって思うでしょ。
事実であります。
だから、病室で2分ごとに顔をしかめる優ちゃん、実はかなり痛いんじゃないかって思ったわけ。
私は病院付きの助産婦さんを呼びにいった。
呼ばれて診察した助産婦さん。
「あら、大変。すぐ分娩室に」
「行かない」
優ちゃん、例のおっとりした声だが、断固として言った。
「行かない!」
「優ちゃん、だって生まれるわよ」
「でも、アメ姉ちゃん。太郎さんがまだ来てないもの」
な、なんと、夫を待っていたのか。
しかし、出産は動物的自然行為、いやと言っても、生まれる時は生まれる。
「でもね」
「だから、アメ姐、陣痛を止めて」
ムリ!
それ、非常にムリ!
私たちを見ていた助産婦さん、穏やかに妊婦を諭した。
出産現場で錯乱する妊婦は多いのだろう、こういう事に慣れているのかもしれない。穏やかな声で優ちゃんに告げた。
「でも、お母さん、頭が出かかってますよ!」
「優ちゃん、まずい、分娩室にいかなきゃ」
「行かない」
「頭が出かかってますから!」
助産婦さん、ちょっとキツめに詰め寄った。
と、優ちゃん!
「中に戻して!」
あああ、ありえん・・・、ほんと、ありえん!
・・・・・・・・・・・つづく
この続きは下記になります。
この優ちゃんシリーズ[3回連続10cm (id:sankairenzoku10cm)さん命名、ありがとうござい]のお話は下記からはじまっています。お読みいただければ嬉しいです。
映画『JUNO/ジュノ』
監督:ジョイソン・ライトマン
主演:エレン・ペイジ
ホラー好きの16歳の少女が、望まぬ妊娠をしてしまった騒動の物語です。
中絶を進める友人やら、出産後は里親を探すやら、ドタバタコメディー感覚の出産映画。
少女が子どもを産むことで巻き起こる周囲の喧騒が描かれています。
突っ張っているが、本当は傷つきやすい16歳、思春期の少女を描いて秀逸な青春映画でもあります。