アメリッシュガーデン改

姑オババと私の物語をブログでつづり、ちいさなディズニーランドに・・・、な〜〜んて頑張ってます

小谷城の戦い前夜【明智光秀と織田信/再15】大河ドラマ『麒麟がくる』舌をチョロっと、まむしの道三の圧倒的存在感!

(前回のあらすじ:1573年夏、戦国時代に転生した姑オババと歴女アメリッシュ。アバターとなった戦国時代の母娘カネとマチを生かすため兵隊になる決意をした。明智光秀の配下で足軽小頭である古川久兵衛の下で働く。彼と共に信長に会い朝倉義景を追撃、下人の弥助とともに戦争の悲惨さに逃げる)

 

一乗谷の決戦から逃げ帰る

 

翌日の午後、弥助とともに虎御前山の砦についたときは、何ていうか疲労困憊していた。

弥助が携えてきた食料も底をつき、途中、敗残兵にもからまれ、50キロほどの距離を一昼夜かけて戻ってきたんだ。

 

12日の暴風雨で大嶽砦を攻めたことを考えれば、4日後の今日は旧暦の8月16日のはず。

織田軍は越前に総攻撃をかけ、一乗谷の城下を焼き討ちするという、さらに凄惨な戦いをしている頃だ。

女は暴行を受け、男は殺され、家は焼かれる。

悲惨な戦場に私はもう耐え難いって思ったんだ。

もう、無理だって。

 

若い時の信長は、こんなに冷酷じゃなかったと思う。

弟をはじめ数々の裏切りにあって、きっと心が死んだ。特に、浅井長政の裏切りを知ったとき、信長は心底から愕然としていた。

力強い自己肯定感と孤独と挫折。この3つの感情が信長を変えたのだと思う。

 

「なぜ、あの信長に命を託す」

私は帰り道、信長がつけてくれた弥助に聞いた。彼は信長のためなら死ねるとまで言いきった下人だ。

「なぜ? へぇ、考えたこともねぇ」

「考えたことがない」

「へぇ、ねぇでさ。ただ、あん方は必死ですだ。わしゃ、あの姿が切ないんで。そいで、わしのような者にも対等に声をかけてくださる。あん方が怒るのは、やらんでもいい失敗をしでかした時だけでさ」と、弥助は笑った。

 

数日前、朝倉軍が越後へと逃亡したとき、先陣であった佐久間信盛柴田勝家滝川一益羽柴秀吉丹羽長秀が遅れ、それを烈火のごとく怒ったと史実には残っている。

「怒ると怖いのか」

「怖いって、そんなもんじゃねぇ。地獄の閻魔(えんま)様さえ、優しく思えるほどだで」

「そりゃ、むちゃくちゃ怖いじゃないの」

「へぇ、そりゃあ、恐ろしいで」

私は5人の武将たちを思って、ちょっと笑った。

「なんだね」

「勇猛な武将たちが、信長様に怒鳴られて小さくなってる姿を想像した」

「ほお? 誰が怒られる」

佐久間信盛柴田勝家滝川一益羽柴秀吉丹羽長秀

「畏れを知らんのじゃな。わしだけならええが、そんなふうに呼び捨てしちゃあかんでよ、へぇ」

「あかんか」

「あかん・・・、それにそういう態度はお館様の興味を引く」

「ふうん」

「気をつけたほうがええ」

「気をつけるって?」

「殿は手が早い」

思わず吹き出した。

「ないわ〜〜〜」

弥助は首を振って、それから、馬の鎧(あぶみ)を持ち直した。

 

平原に入り、見慣れた土地の、その先に虎御前山が見えた。

あの丘の頂上に砦がある。

「あの砦にいなさるんかね、そのオババという人は」

弥助が聞いた。

「そのはずだけど。別れてから六日も過ぎているから」

そうだ。

あの清水谷の城下に潜入して、その後、大嶽砦の戦いに巻き込まれ、朝倉軍から逃げて、そのまま織田軍とともに刀根坂まで行ったんだ。

そこで、私は限界を超えた。

「オババは、足を怪我して。だから診療所にいるはずだけど。もう6日も過ぎている」

「診療所へ行けばいいだな」

「そう」

 

診療所に入ると、傷を癒す多く兵が横になり、ある者は呻いていた。

オババの矢傷を治療したときは、まだ誰もいなかったんだ。信長の夜討ちだけでなく、浅井長政との小競り合いも起きているのだろう。

「オババ!」

私は暗い室内に目が慣れるのも待てず、大声で呼んだ。

答えるものがいない。

「オババ!!」

簡易なゴザの上に寝ている傷兵たち、ひとりひとり確認した。

「オババ・・・」

心が冷えた。

どこに行った、生きてるのか。

と、その時、女たちの声が外から聞こえてきた。

「トミ、お前はそっちを頼む! ハマは向こう側じゃ。いい、傷兵たちの食事は私と・・・、今日は誰がくる」

オババのひときわ高い元気な声だった。

思わず、私は走りだした。

「オババ!」

頭に手ぬぐいを巻いたカネ、つまり意識だけオババのカネが振り返った。周囲には仲間の女たちが盆をもっている。トミもハマもカズもいた。

「アメ! 帰ってきたか」

「オババ〜〜〜」

「なにを泣いとる」

久兵衛は!」

するどい声を上げたのはヨシだった。

「ああ、ヨシ、久兵衛とは途中ではぐれたけど、たぶん、大丈夫だ」

そう言いながら、思わずオババをハグしていた。

この時代はハグなんてしないけど、だから周囲にいた女たちが驚いていたけど。私は、それほど心が弱っていた。

 

いやね、姑にいつか抱きつく日がくるなんて考えたこともなかった。しかし、この時代、唯一の現代人で、たった一人、私を理解してくれる、それがオババしかいなかったんだ。

もう、抱きつくしかなかった。

 

一乗谷の戦い時代の織田の組織

 

1573年の織田信長の陣容は8人の武将による軍事体制へと収斂されていた。

朝倉が逃亡したとき、彼を追うことに遅れた5人の武将に加え、中川重政明智光秀と、その後、浅井家が滅亡してのち、磯野員昌がくわわった8人体制が、当時の織田家を支える屋台骨という陣容だ。

信長が権力を握る過程で、さらに体制を支える武将は増え、組織は拡大していく。これは現代の振興企業と同じだと思う。

 

一方、刀根坂の凄惨な激闘から壊滅的な打撃を受けた朝倉軍。

この戦いで3000人以上の死者を出した。

信長は、この時、朝倉軍とともにいた斎藤龍興の首をとった。かつて義父である斎藤道三を殺害した斎藤義龍の実子であり、道三の孫。

信長の妻帰蝶の甥っ子にあたるんだ。戦国時代というのは、骨肉の争いになることが多い。親子間、兄弟間、親戚間、そんな戦いがあちこちで起きていた。

 

浅井長政を助けに向かった朝倉軍の兵力は2万だった。それが刀根坂の戦い後、本拠地に逃げ帰ったときには500に減っていた。

ほぼ1週間で、2万の兵力が500に減ったということだ。

信長は朝倉義景を追い詰め、さらに一乗谷の城下町を焼き払った。

主な朝倉の家臣は討ち死にし、党首である義景は、結果10名ほどの側近とともに逃げた山奥で自害した。

 

・・・つづく

 

登場人物

オババ:私の姑。カネという1573年農民の40代のアバターとして戦国時代に転生

私:アメリッシュ。マチという1573年農民の20代のアバターとして戦国時代に転生

トミ:1573年に生きる農民生まれ。明智光秀に仕える鉄砲足軽ホ隊の頭

ハマ:13歳の子ども鉄砲足軽ホ隊

カズ:心優しく大人しい鉄砲足軽ホ隊。19歳

ヨシ:貧しい元士族の織田に滅ぼされた家の娘。鉄砲足軽ホ隊

テン:ナイフ剣技に優れた美しい謎の女。鉄砲足軽ホ隊

古川久兵衛足軽小頭(鉄砲足軽隊小頭)。鉄砲足軽ホ隊を配下にした明智光秀の家来

 

これまでのお話につきましては、下記の目次サイトに掲載しております。

ご参考になれば幸いです。

 

funyada.hatenablog.com

*内容は歴史的事実を元にしたフィクションです。

*歴史上の登場人物の年齢については不詳なことが多く、一般的に流通している年齢などで書いています。

*歴史的内容については、一応、持っている資料などで確認していますが、間違っていましたらごめんなさい。

 

参考資料:#『信長公記太田牛一著#『日本史』ルイス・フロイス著#『惟任退治記』大村由己著#『軍事の日本史』本郷和人著#『黄金の日本史』加藤廣著#『日本史のツボ』本郷和人著#『歴史の見かた』和歌森太郎著#グーグルgoogle検索#Yahoo!検索#『村上海賊の娘』和田竜著#『信長』坂口安吾著#『日本の歴史』杉山博著#『雑兵足軽たちの戦い』東郷隆著#『骨が語る日本史』鈴木尚著(馬場悠男解説)#『雑賀の女鉄砲撃ち』佐藤恵秋著#『夜這いの民俗学赤松啓介著#「足踏み洗い」から「手揉み洗い」へ―洗濯方法の変化に関する試論― 斉藤研一/藤原良章/五味文彦編他多数

 

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斎藤道三

NHK大河ドラマ麒麟がくる斎藤道三に圧倒された

 

第2回「道三の罠」の視聴率もまずまずの17.9パーセントでした。

今回の『麒麟がくる』、戦闘場面がよかったですね。

太鼓が戦闘を鼓舞して、面白かった。

 

しかし、なんと言っても、本木雅弘さん演じる斎藤道三です。

圧巻の演技に大拍手を送りたい。

道三の演技が冴えた毒殺場面。チロっとマムシのような舌を出す名場面で、道三の顔アップは迫力ありました。

帰蝶の夫役である、土岐頼純との二人のクライマック場面です。

土岐頼純役の矢野聖人もよかったですが、本木雅弘さん、圧倒的だったね。

 

ところで、このシーンで斎藤道三、茶道の腕前を披露したんだけど、茶筅を勢いよく回して抹茶を立ててたから、なぜか茶器のなかで、抹茶が飛び散ってて、作法的にはどうよ。なんて、ちと思っちまったけど、ともかく最高の演技で、第2回のすべての役者を霞ませていました。

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