【スーパーチューズデー】米国の大統領選は熱い!この熱には新型コロナウイルスさえも影が薄い
3月3日火曜日、米国のスーパーチューズデー
大統領選予備選挙。
党の候補者選びで最も大事な日が、一昨日の火曜日(Tuesday)であった。
時差の関係で日本時間では4日にずれ込んで見える民主党の予備選挙。最大の山場がスーパーチューズデーだ。
米国では、お祭り騒ぎが起きている。日本にいると理解しがたいが、でも大きな会場で候補者がなにか言うたびに、背後にいる支援者が一様にうなづく、なんとも出来レース的な映像をご覧になった方もいるだろう。
スーパーチューズデーではプロレスの試合会場のような熱気に満ちている。
なんなら、候補者全員がリングに上がり、大仰な演技で自分をアピールし、そして、拍手や大声援のなかで、殴りあいをしても全く違和感がないと思う。
想像するまでもなく、米国3代ネットワークCBSもABCもNBCも24時間ずっとそのニュースばかりになっているだろう。
日本でも通信衛星放送の米国系報道局CNNで、その話題ばかりであった。
CNNに至っては人気キャスターのアンダーソン・クーパーの顔しか出ていない。もう見すぎたってくらい彼が大統領候補者を語っている。
ちなみに、米国の報道は偏向が強い。民主党系、トランプ大統領の所属する共和党系とカラーがはっきり出て、いっそわかりやすい。
余談ではあるが、アンダーソン・クーパーはジャーナリストであり、アンカーマンであり、ついでに作家の顔も持つ、米国では絶大な影響力がある男だ。
ご覧ください、この端正なお写真。
エスタブリッシュって言葉がこれほど当てはまる人もいない。
名門一族で大富豪のヴァンダービルト家の血筋。ヴァンダービルト家は米国のニューマネー代表で祖先は鉄道王であった。
米国にはニューマネーとは別に、もう一つオールドマネーという集団が存在する。まあ、その説明はまたいつか。
彼の一族はバンダービルド大学をも創設している。
いわばサラブレット中のサラブレットで、なんとも魅力がある知的な貴公子。しかし、ゲイであることをカミングアウトして世間を騒がした。関係ないけど、きっと、きっとね、残念な思いを抱いたブロンド美女は多かったことだろう。
CNNの報道番組では、そのクーパーを挟んで濃そうな人々が民主党の候補者選びに固唾を飲んでというか、興味津々というか、昨日はずっとおしゃべりを続けていた。
その姿、井戸端に集まって、近所の噂話をする江戸時代のオバさん達でもあった。
米国の大統領予備選挙の仕組み
2020年の秋、11月3日に予定されるアメリカ大統領選挙。
選挙は50の州で行われる。その仕組みが少しわかりずらい。
大統領選挙に投票するのは国民全員ではない。米国民が大統領選挙人として選んだ代議員の投票で決まるので、実際には間接選挙なのだ。
だから今は各州の民主党に所属する代議員が、どの候補を大統領候補として立候補させるかで争っている。
この仕組みが、本番の大統領選ではさらにややこしく、そこは割愛する。
一つ付け加えると、
米国では18歳で選挙権が与えられる。しかし、彼らが投票するには選挙権の登録をしないといけないのだ。18歳になると自動的に選挙できる日本とは訳が違う。
さらに登録するときに必要な問いがあって、どこの政党に所属するか問われる。
ま、だいたいは親と同じ政党を選ぶ子が多いようだが、そこで共和党か民主党かを選び、はじめて、その政党の予備選挙の選挙権が与えられるという訳だ。
なんともややこしい。
つまり、民主党の候補を選ぶのは民主党所属の国民だけで、さらに、その国民から代議員を選び、彼らの州で投票した人が、その州が選んだ大統領候補となるのだ。
そして、最も多くの州を勝ち取った者が晴れて大統領候補となって、ヒノキ舞台である大統領選挙に立ち向かう。
米国の州は50、日本の県というより、ひとつの国に近い存在だ。州には大きな自治権が与えられ、それぞれ法律までも違うからだ。だからこそ、州ごとの国盗り物語なのである。
現役の大統領は2期計8年間を続けられるので、トランプ大統領はこのまま共和党の候補として選ばれ立候補する確率が高い。よほどのことがない限り、共和党の候補はトランプ大統領だ。
2020年の民主党候補
今、これを書いているのは3月4日(米国時間3日の火曜日)。
ライブで行われているスーパーチューズデーは最も多くの州で投票が行われる日だからこそ、ここで有利な候補者が大統領候補となる場合が多い。
だからこそ、アンダーソン・クーパーは眉を寄せ、1日中、どの州で誰が勝ったかなどとクールに泡を飛ばしている。
では、民主党候補は誰になるのか。
今日の米国だけは、民主党の候補が誰になるかが、新型コロナウイルスよりも一大事になっている。この4年に1度のオリンピックのような大統領選挙では莫大な金が動き、お祭り騒ぎは熱い!
予備選から大統領選とその候補は、アメリカ中を勢力的に巡り、票を得るという、体力気力の大勝負に多くの人が関わって、文字通り走り抜けていく。
ところで、民主党の候補選びで、最初の頃、驚きの候補がトップに立ち大ニュースになっていた。
ピート・ブタジェッジ氏38歳。
若さもさることながら、ゲイで男性ふたりのカップルが選挙運動で支持者と握手していた姿が印象的だった。彼、非常に優秀な男でハーバード大学、オックスフォード大学卒業。マッキンゼーでコンサルタントとして活躍した経歴を持つ。もしかして、彼がという時期もあったが、早々に失速してしまった。
現在、78歳のサンダース氏と77歳のバイデン氏の一騎打ちになりはじめている。
これはまた高齢な候補者だ。
米国の大統領職務は過激だ。若い人でも音をあげる体力勝負で、まあ、しかし、米国全土を走り回り、票を要求できる77歳と78歳って、ある意味、アスリート的体力の持ち主だとは思う。
もっと若い私は、家周りの散歩でさえ根をあげているというのに、スーパー70代かよ。
だが、しかし、年齢は年齢。と、ついつい、私は思ってしまう。
高齢者の自動車免許が危ないと常に言われている日本の現状を。
大丈夫なのか、アメリカ!
トランプ氏は73歳、歴代最高年齢の大統領と言われ、職務をこなせるかと不安視された彼が若くみえる民主党候補。
ずっと、テレビでその様子を流しながら、『オババとアメリッシュの戦国物語』を書こうとして、手が止まっている。
で、戦国時代よりも現代の戦国を書いてしまった。
しかし、なぜ、このライブから目が離せないのだろう。少し疑問に思った。夜には結果がわかる。それを見るだけでもいいわけだ。
だから、戦国時代の様子を今は書くべきだとは思った。とっとと最終回まで書いちまって、ブログをやめようって。
そして、皮肉なことに、その反論を自分で発見してしまい喜んでいる。
我ながら秀逸な反論が思い浮かんで思わず自分をほめていた。
「オリンピック競技を、
じゃあ、結果だけみて面白いのか!」
だからこそ、アンダーソン・クーパーのしたり顔を、まだ、私は見ている。