【毒親から結婚の道19】映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジョニー・デップが破産って。米国では病気破産が半分以上って話
《オババ》私の姑、人類最強のディズニーオタク。妹の夫とは同級生
《叔母・勝江(仮名)》オババの妹、ヒステリー性障害を患う。娘を溺愛し結婚に反対
《叔母の夫》米国に本拠地を置く会社CEO。自宅も会社も電話がつながらず所在不明
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昨日のブログはちょっと魔がさして、いつもとテイスト変え、
すみませんです。
さ、今日は平常運転のお笑いブログ!
ぶっ飛ばして、いきまっせ!!
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「ガンを患っている」
叔父は淡々といい、唇の左側をクイっと上げ、笑いました。
足元に文字通りぽっかりと穴が空いて吸い込まれるような感覚でした。
「ほらほら、そういう顔をしない。今時、この病気は珍しくもない。日本人の2人に1人はかかる」
「でも」
「末期じゃないし、治るよ」
「そうなんですか」
「外科的手術はアメリカでしたんだがね。治療費がバカ高くて、患者破産だよ。それで、あっちの会社は整理して、友人の紹介で、そこの病院で治療している。まあ、そういうわけだ。さっきのも抗がん剤の副作用で、疲れやすくなっただけさ」
「抗がん剤」
「ああ、今日の午前中で、すべて終わりだがね。予後は順調だ」
そんな体で、わざわざ。だから、お台場のホテルだったと理解できたが、理解したからといって安心できるものでもない。
「でも」
「そうか、わかったぞ、君はみたいのだね」
「え?」
そういうと、叔父は、ちょっとややこしい帽子を取るようにカツラを。
てか、その頭、カツラだったんか。
「この坊主頭を見たかったんだろう」
いやいやいや、いきなり丸坊主見せられても。
あなたなら、どうする?
病気を告白されて、丸坊主みたいかって言われて、見せられた時の
その正しいリアクションって、なに?
笑うべきなのか。同情すべきなのか。
そのどっちもベクトル、ちがってない?
で、ここで引き下がっていいのか?
このままでいいのか?
叔父は、私の顔を覗き込んだ。
この困惑したような目線、ちょっとドキドキするから。
「逆効果だったか。けっこう似合ってると思うが、ちがったか。まあ、というわけだ、黙ってくれないか」
「無理です!」
きっぱりと言い切った。言い切っちまった。
自分でも無鉄砲ちゅうか、どうしていいのか理解できず混乱していて、そういう場合、かなりの確率で、アホな方向へ向かいます。
「まったく、委員長といい。真の日本人ってのは、言外の言葉を察するのが国民性じゃないのかね」
「叔父さんは10年以上も日本を離れてますから。私は現代日本人の標準タイプAです」
「ははは」と、低く笑って言った。
「それは、ちと信じがたい」
陽が少し落ちて、空気が柔らかくなっていました。
「いいかな。米国ではな、こういう病気にかかると破産だ。たとえ保険に入っていようとも、高額すぎて払えなくなる。だから、あちらの会社を清算したってのが事実だよ。トランプ大統領になってから輸入業者は厳しいってこともあるがね」
アメリカでは毎年53万世帯が破産します。その66.5パーセントは医療費が原因での破産です。(American Journal of Public Healthより)
日本とちがって医療費が高い。
逆にいえば、日本の医療費が安いのであります。
アメリカの健康保険加入は個人の選択であり、その金額は高額所得者じゃなきゃ払えないほど大金です。
大手企業に勤務していれば、会社が社員保険を払ってくれますが、それも中小となると厳しくなります。
健康保険料が企業の収益を圧迫するのがアメリカという国でもあって。
出産で200万近く請求される。盲腸の手術に400万なんて話はざらです。
そういえば『パイレーツ・オブ・カリビアン』で大儲けしたジョニー・ディップも破産寸前ってニュースになっているけど、それは浪費グセらしい。
彼の出演ギャラが16億くらいだそう。
それで、なんで破産する、どんだけ使ってんの。
かたや、病気になっても医療費が払えずに困っている人が大勢いるのがアメリカです。困窮するのは、実は低所得者ではなく、中産階級です。低所得者には国の健康保険があるからです。
「黙っていてくれるな」
「いえいえ、これとそれとは」
「これとそれとは同じなんだ。詳しく話しておこう。僕の病気はステージⅡの肺がんだ。ま、タバコの吸いすぎと、困った生活のしわ寄せが体にきたということだ」
「ステージⅡ」
舞台か? なんじゃそりゃ。どこのステージにあがるんだ。
全くわからない。
あとでグーグル先生だ。
「医学書を読めば、ステージⅡの予後は50パーセントほどの生存率と書いてある。阿呆らしい話だよ。余命とか生存率とか、そんなもんはわかりゃあせんよ。
だいたいが、人間はいつか死ぬ。生存率なんて、そもそもおかしな話だ。人の致死率は100パーセントだ。不死でもなければな。だから生存率なんてのもまやかしだよ」
「それは、誰でも寿命はありますが」
「そうだ。70も後半になれば、寿命とガンとどっちの勝負かって年齢だよ」
「そういうものですか」
「そういうものなんだ。僕の古い友人なんて、もっとしぶといぜ。ステージⅣの末期ガンを患いやがった。転移もあって、医者は3ヶ月の余命だと宣告したが、あれから5年、今もゴルフをやってるよ。
やつにガンになったと言ったらな。『遅いぜ、相棒。タバコの量でも減らしたか』と言いやがった。ステージⅡ程度で偉そうにしてんじゃないってな」
「はあ」
「ともかく、アメリカの馬鹿高い医療費で破産宣告を受けて日本に舞い戻った。アメリカで破産ってのも、よくあることだ。とくに病気にかかるとね。
だが、破産しても日本よりもずっと多くの資産は残る。
守られる預金もあるしね。ただ、こっちの家と土地がな。あれを申告したら、おそらく持ってかれる。で、離婚して妻に取られたってしたいんだがな。うまくいかん。
勝江も、委員長とは別の意味で手強い。娘の結婚反対に手を貸そうとしたがな、それも難しい」
「ほんとのこと説明したらどうですか? 財産を守るために離婚したいと」
「勝江にか? おいおい、大騒ぎになるぞ。僕は静かに闘病したい。あいつがきたら、大騒ぎになって、間違いなく生存率0パーセントだ」
叔母の性格を考えました。
以前、娘の優ちゃんが婚約者を連れてきたとき、反対して、公の場にもかかわらず、悲鳴をあげて騒いだ人です。
私は首を振った。
「だろ」
「ですね」
「がはは」と叔父が笑った。
がははじゃないから。
「アメちゃん。飴をあげるから、僕と手を組まないか」
「手を組む」
「なんとか離婚を成立させてくれないか。そうしなければ、勝江は家なしで放り出されることになるよ」
今度はあんたかい。もう、叔父さん。惚れちまうよ。
to be continued
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』
言わずと知れたジョニー・ディップの出世作の一つ。ディズニーの「カリブの海賊」を元にしたファンタジー映画です。
これまで5作品が公開されております。すべて大ヒット。
で、ジョニーの年収。50億円以上。
なぜ破産???
ガン患者の方へ
ステージⅣを宣告されても、今尚お元気な男性の話、事実です。
奥様が、また素晴らしい方で、二人とも前向きです。
ですから、もし、病院でガン宣告され、余命宣告という恐ろしいことを突きつけられても、どうぞ絶望なさらずに、希望を捨てないで生きてください。
ガンはもう不治の病ではありません。
希望こそ、ガンと闘う、最も大きな武器です!
笑いと楽しむ力が大切です。
ご家族に皆さま
闘う患者さんも大変でしょうが、ご家族の方のご苦労は愚痴も言えずに、お辛いこととお察しいたします。
どうぞ、お身体をお愛いくださいませ。ご自分の体も大切です。
あなたが倒れては困ります。
大変でしょうが、どうぞ、笑ってください。
笑い、楽しく過ごしてこそ、病気に打ち勝つことがきる最良の薬です。これは実体験からの思いです。
そして、収入の多寡にかかわらず、適正な医療を受けることができる日本の保険制度は、米国や中国にはない素晴らしい制度だと思います。
この保険を大切に使い、破綻しないように、全ての方が適正に利用していただきたいと切に願ってしまいます。