アメリッシュガーデン改

姑オババと親戚の物語をブログで綴っております・・・ブログ界のちいさなディズニーランドを目指しています

【毒親と結婚と離婚4】映画『鉄道員・ぽっぽや』の高倉健。オババは地味に、ただひたすら世界のインフラを支え誠実に生きる人に感動する

《オババ》私の姑、人類最強のディズニーオタク。妹の夫とは同級生

《叔母・勝江(仮名)》オババの妹、ヒステリー性障害を患う。離婚を条件に自宅の譲渡書をもらうが離婚は拒否している

《叔母の夫・あの男》叔母とは10年来の別居中。米国に本拠地を置く会社CEOだが破産、日本で病気療養中

 

離婚と贈与税の先の見えない攻防戦

 

「それで、土地の譲渡書類はどうなっている」

 

叔母が、少し落ち着いてから、姑オババが聞きました。

生前贈与として土地と家を受け取れば、莫大な税金がかかる事実を受け入れず、叔母、肩で息してます。

 

ハアハアゼイゼイって、肩の上に吹き出しが出ていそうなくらい、

上半身が上下してます。

70歳超えて、ハーフマラソン完走したっけてな勢い。

 

しかし、いくら肩で息したって、怒りに青ざめたって、なにしたって、税金マンはやってくるんであります。

 

来年、贈与税が支払えませんになったら、姉であるオババに、鬼の税務署が連絡してくっかも。

 

そしたら、息子である私の夫、まさかの5000万円、用意って、

税金ドミノ倒しが勃発かっていう非常事態が、サイレン鳴らしてる。

 

で、夫の後ろには誰が控えてんの?

え?

私?

 

いいぞ、いいぞ、私。

500円くらいなら、カンパしてやってもいいぞ、税務署!

 

というわけで、叔母が離婚を渋ったため、とんでもない事態になっております。

 

超大金持ちや企業が利用するタックス・ヘイブン

叔母に必要かもって、オババと叔母の1対1の攻防戦を、現場でみながら、つい思いました。

 

てことは、ゲッ! 叔母、なにげに、セレブの仲間入り?

 

ヨレヨレの灰色の着古したワンピース着用、

で、セレブ?

ワンピースのブランド知らんけど、シャネルじゃないことは間違いない。

神に誓って、そこだけは断定できる!

 

ブランド物バッグ持ってるけど、エルメスじゃない。

それ、たぶん東急ブランド。

東急ストアで2円の紙袋、普通に使ってる。

 

ちなみに、タックス・ヘイブンって税金が免除される国のことで、

たとえばカリブ海の英領バージン諸島やケイマン諸島なんかのことで、

超金持ちたちがそこに住んでる。

 

いえ、実際に住んでるわけじゃないけど、つまり、住んでるって、そう法的にしてるわけ。

で、多額の税金逃れに使ってるわけで。

 

でさ、叔母、そこに住民票、移動するかって。

それで贈与税、免れるかって、

できるわけねぇし、する方法しらんがな。

 

「それで、生前贈与の書類は?」と聞くオババに、よっこらしょって、

セレブ、立ち上がった。

 

ガシガシと音をさせながら、古いタンスの引き出しを開けて、大事そうに茶封筒を持ってきた。

 

「ちゃんと、印鑑おしてますからね!!」

 

叔母セレブ、鼻息が荒いです。

茶封筒から書類を取り出しました。

 

「これはコピーですか」と、オババ。

「何いってるの。どうしてコピーなのよ。本物よ」

 

ん?

 

「勝江」と、オババが厳粛な顔で聞きました。

「印鑑を押してどうしたのです」

「だから、ちゃんと押して、大事にタンスにしまっています」

 

オババ、口元を歪めました。

肩がかすかに震えてきます。

例の片方の口元をぐっと引き上げて、ハリソン・フォードで笑おうってして、

ぶはって吹き出しました。

 

「あんたは、あんたは、あんたという妹は・・」

それ以上、言葉になりません。

 

テーブルを叩きたそうだったので、薄めの雑誌を手渡しました。

オババ、雑誌を丸めてバンバン机を叩いて笑いだしました。

 

セレブ叔母、非常に険悪な表情になって、さらに眉間にシワを寄せてます。

 

「でかした! 妹、いつもながら、あっぱれとしか言いようがない!」

「な、なにをよ」

「あのな、勝江。こういう書類は役所に届けなければ、意味がない」

「ど、ど、ど、ど、どういうことよ

「勝江、あんたのその世間知らずがたまには役に立つ。この書類を持って役所で手続きしなければ、まだ、この家は叔父のもんってことじゃ」

 

「え!」

 

叔母、驚いたのか椅子を倒して、直立不動で立ち上がりました。

 

「す、すぐ行くわ。どこへ行けばいいのよ」

「簡単じゃない。自分じゃ難しい。弁が立つやつ、あっと、弁護士か? なんとか司法とか、アメリッシュ! グーグルじゃ」

「は」

「なんと」

 

そんな、さすがのGoogleも一瞬では解決できないって。スマホって、手が勝手に動いて、使い辛いんだから。

 

アメリッシュ!」

「は!」

「まだか」

「まだでござる。殿」

「じゃあ。離婚届を先に」

「それは嫌!」

 

オババ、笑うのやめました。

 

アメリッシュ 。待ちわびておる。グーグル先生が昼寝して、教えるの嫌とか、ダダをこねてるのか」

「いえ、私の指がダダをこねてて・・・。わかりました。司法書士です。そういう関係は」

「そう、それじゃ、勝江。先生に相談しなきゃいかん」

 

先生でいいのか!

なんで調べた!

 

「じゃあ。その先生に」

 

オババ、その先生を無視して、真剣な顔で問い詰めました。

因みに、司法書士先生だから。

 

「あの男を愛してるのか」

 

私、おそるおそる叔母のほうに視線を動かすと、

顔を真っ赤にしています。

 

言葉も発せず、唇を噛んで、オババが持っていた雑誌を盗むと、ぐしゃっと丸めました。

 

70歳すぎて、正確な年齢を忘れたけど。

日本人女性の平均年齢考えれば、たぶん、あと10年もすれば、お迎えがいらっしゃる年齢で、愛!

 

どうしよう、どうしたらいい?

皆さま、カオスです。

 

嫁のほうが、すでに、愛!から、かなり距離をおいておりまして。

 

ごめん、すまん、オババと叔母よ。

ついていけません。ついて行きたくないでございます。

 

「勝江、離婚届は、あの男の愛情だって気づいたほうがいい」

「どういう意味よ」

「離婚して、あんたに土地と家を残そうとしているのだから」

「どういう意味・・・」

語尾が消えかかっております。

 

カオスです。

10年以上も別居し、勝手に米国で生活している叔父を、それでも叔母は思っているんであります。

 

妄執かもしれませんが、顔も見たこともない外国人女性に取られたくない。

それはおそらく理屈とは別次元の、愛!なんでしょう。

 

確かに叔父のような男性は、70歳半ばすぎても魅力的です。

 

話は面白いですし、周囲を惹き込む魅力に満ち溢れています。

会社社長として莫大な年収を稼ぐ昨日の今日は、破産してるかもしれません。

そうした危険に飛び込むことが好きな男なんです。

 

いわば、ホリエモンさんです。

(因みに、叔父の外見は彼とは全く似てません)

 

ホリエモンと結婚する女性は、よほど自立してないと心が壊れるんじゃないかと。実際、彼は1度結婚して、妻と愛人とのドロ沼戦争に嫌気がさしたようで、結婚などするもんじゃないって書いてます。

 

ホリエモンは、会社経営で巨額の金を稼いだと思ったら、選挙にでて、挙句のはてに犯罪者として収監される。

 

しかし、そんなリスクを経てもなお、またのし上がってくる。

自力と胆力がある人です。

 

これを真似することは危険ですし、真似をしないほうがいいかもしれません。

 

ちょっと考えて見てください。

 

日本の人口、9割がホリエモン、普通の人1割という世界。

 

想像できますか?

 

これ、ダメでしょう。

実際の社会、ほとんどの仕事は地味であって、

人の目には入らない面白くもない仕事によって、世界はまわっています。

 

例えば、叔父の対局にいるオジジ、私の舅は地味な人です。

面白みもないかもしれません。しかし、自らの器を知り、誠実に人生を紡いできた、古武士のような人です。

 

私は、『鉄道員 ぽっぽや』で高倉健さんが演じたような男性を尊敬しています。

 

北海道のローカル線、幌舞線の終着駅の駅長として、人生の大半を鉄道に捧げ、そして引退した筋金入りのぽっぽや。

 

日本のインフラを支えるのは、こうした方たちです。

こうした人々が実際は経済も社会も支えているのだと思うのです。

 

やはり、1割のホリエモン、9割の普通の人のほうが正常に動いていきます。

 

余談が長過ぎちゃいました。

叔母のダイニングテーブルに話を戻します。

 

「わからんか、勝江」とオババが言いました。

叔母、しばらく黙っていました。

それから、興奮の冷めた声で呟きました。

 

「姉さん、私・・・、離婚は嫌なの」

「そうすると、5000万円だ」

 

話が平行線のまま、いつしか日が暮れてました。

 

離婚、愛、ときどき先生がループして同じ話がずっと続いて、私、ただ聞いているだけなので、なんだか子守唄みたいで、こっくりこっくり・・・

 

りーこん、あいあいああーいって。

 

「こら!」

 

ふいに頭を小突かれました。

知らないうちにヨダレを垂らし寝てたようです。

 

「お、おはようござ、あれ? 朝ごはん? 準備・・・」

アメリッシュ。今は夜だ。ここはどこ、私は誰って言ったら」

「ここはどこ、私は・・・」

「目覚めよ!」

 

to be continued

 

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映画『鉄道員(ぽっぽや)』

 

1999年公開 高倉健主演『鉄道員(ぽっぽや)』

 

鉄道で働く寡黙(かもく)鉄道マンの、心をうつ人生を描いて秀逸な作品です。そこには生の生活が溢れています。

 

浅田次郎さんの短編小説『鉄道員』が原作。小説もいいです。

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