アメリッシュガーデン改

姑オババと私の物語をブログでつづり、ちいさなガーデンに・・・、な〜〜んて頑張ってます

【毒親から結婚の道15】映画『緋文字』、不倫する女に緋文字を刻印する恐ろしい時代が、本当にあった怖い話

《オババ》私の姑、人類最強のディズニーオタク。妹の夫とは同級生

《叔母・勝江(仮名)》オババの妹、ヒステリー性障害を患う。娘を溺愛し結婚に反対

《叔母の夫》米国に本拠地を置く会社CEO。自宅も会社も電話がつながらず所在不明

 

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いたたまれない、ムッチャいたたまれないぞ。

姉妹ケンカって、微妙な空気がながれて、キッチンがキッチンじゃなく、冷凍庫に入ってるみたいで。

 

叔母は弱り切った、シワくちゃな老人に見え、

かたや、オババ、強烈な怒りをうちに秘めて身動きもせず、

 

アメリッシュ、目だけキョロキョロしてます。

 

誰も飲み物欲しがらないし。

で、緊張して座ってたから腰が痛くなってるし。

 

というところで、オババが静かに話し出しました。

 

「もう遠い記憶ですがね。あの男が来ましたよ。青醒めた顔をして、しょぼくれてね。

 

『委員長、まずったよ』って

『なにをしでかしたのよ』

 

私が聞くとね。

 

『俺、酔払ってて、まったく覚えがないんだが』

『どうせ、けがわらしい話でしょ』

 

『子どもができた・・・、ようだ』

 

びっくりしましたよ。遊んでるとは思ってましたが、まさかね。

そんなことをって。

 

『相手は、ご商売のそういう女なの?』って聞きました。

 

あの当時は、今の時代とは違いますから。

普通の娘が結婚前に妊娠なんて、どんな誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)をされるかわかりません。

 

そういう女性は、キズモノなんて言われた時代です。

処女じゃなきゃ嫁にいけないって、それが常識でした。

 

『それで、お相手は?』

 

あの男、珍しく言い淀んでね。下を向いてました。

 

『お相手は誰ですか?』

『勝っちゃんだよ』

『勝っちゃん?』

 

勝っちゃんって名前が入ってこなくて。もう一度聞き直しました。

 

『勝っちゃん、勝っちゃんて、私の妹?』

『ああ』

 

瞬間的に右手が動いて、強烈な一発を見舞っときました。

平手じゃなくて、グーパンチです。

 

親が聞いたら泣くと思ってね、先にやっといたんです。

 

それだけです。それで終わり、あの男は同級生でしたが、それだけです」

 

オババァ〜〜。

 

「今は女性にとっていい時代なんでしょう・・・。そういうことで、キズモノとは言われませんから。それにしても、私も人を殴ったのは、はじめてで、まあ、拳が痛かったこと。もう2度と嫌ですよ。こっちが痛いです」

 

叔母、うつむいてます。

 

私も顔を上げるのが怖くなって、テーブルの木目を数えてて、

ああ、こういうこと過去にあったなって。

学生時代以来だって、先生との面談、机見て乗り切った、あの時と同じだって。

 

「さあ、昔は昔、今は今。あの男、また、しでかしたんですよ。アホにも程があります」

「何したんでしょうか」

「急に日本に来て、それで、離婚ってのは奇妙でしょう、この10年、何も言わずに向こうで生活してたんですから。勝江、なにか聞いてないの?」

 

「なんで、昔のこと怒らないのよ」

 

叔母、質問には答えずに、また蒸し返して、声のトーンも高いです。私以上に視線が定まってません。

 

「面倒な女ね、あんたも。昔って言ったじゃない。で? なにか聞いてるの」

「そ、そっちは、なにも聞いてないわ」

「面倒な上に役立たずか。いい加減、成長するってできないの」

「姉さんだって、そうやってズケズケいうの。酷いじゃない」

「私のズケズケは誇りを持ったズケズケです。あんたのは誇りがない」

「な、なんですって!」

 

待った、待った! タオル、タオル。リングにタオル投げて!

 

「叔母さん、離婚届はどこに送るんですか?」って聞いといた。

「・・・離婚届」

 

叔母、ぼんやりと口にして、立ち上がろうとして中腰になり、再び椅子にストンと落ちました。

 

「立つこともできんようになったか」ってオババ。

 

先ほどから言葉に棘がある。きっと怒ってるんだろうな、すごく。

 

「できますよ」って言いながら、叔母、よっこらしょって、今度こそ立ち上がった。

 

叔母が持ってきた離婚届けには、住所と電話番号と共に叔父の名前が書いてありました。

 

住所は米国であり、電話番号も米国のもので。

本籍は、この家になっています。

 

「じゃあ、勝江、離婚届に名前を書きなさい」

「え?」

「証人欄は私とアメリッシュで書いておきましょう」

「姉さん、でも」

「調査しても何もわからないから、これはもう、あの男に会う必要があるわ。その理由に離婚届けを持って行くってことにしましょう。スマホの番号はわかってるんだから連絡をいれます」

「で、でも、この年で離婚なんて、そんな体裁の悪いこと」

「なにを言ってるの。結婚のときの方が、よほど恥ずかしい理由でしたよ。あの当時にできちゃった婚なんて、ありえませんから」

「姉さん、子どもはできてなかったから」

「あ〜〜ら。じゃ、なんで妊娠したって」

「それは、その、嘘も方便って」

 

オババ、怖い顔でにらんだ。

 

それから、表情が崩れたと思った次の瞬間、クッて吹き出すと、次にブハッーって爆笑した。

そして、笑い出すと止まらなくなったのか、机をバンバン叩いて、

 

「あほすぎて、もう・・、信じられない・・あの馬鹿、それ・・・、ひっかかって、ヤッタヤッタ詐欺ね・・・」とか、言いながら大笑いしてました。

 

「よく騙せたわね。ま、弱々のあんたにしては上出来だけど」

「だから、アパートで酔っ払って寝てたから、その横に朝になるまで」

「ほう。どういう姿で、服は」

 

叔母、耳まで真っ赤になりました。

 

「それは・・・、服は、脱いで」

「で、あの男、目覚めて、どうしたの」

 

ちょちょちょ、待った!

私にも心構えがいるって、その先。

 

だって、そん時は、叔母、きっと可憐な娘だった。

きっとそうだったと思う。

 

でも今、目の前にいるのは娘じゃなくて、

ヨーダだから。

 

 

 

 

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朝、ベッドで裸って。

ヨーダの裸しか想像できない〜〜!

 

「あの人、・・・寝ぼけてて、手を出してきて」

「ほう、そっから」

「そっから、そのまま・・・」

「ほう。一応、手を出したというわけか」

「ま、ま、そうよ」

 

ヨ、ヨーダにかよ。

 

「最後まで」

「そ、そうよ」

 

ヨーダァ・・・

 

やることやってるんかいィィィ・・・

 

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ナサニエル・ホーソーンの不朽の名作『緋文字』という小説をご存知ですか?

 

17世紀のピューリタリズムが盛んだった頃のアメリカ・ニューイングランドの話です。

 

へスター・プリンという女性が姦通の罪を犯し、監獄から連れ出されるところから、物語ははじまります。

 

晒し台にあげられたへスターの胸には『A』という緋文字がつけられています。

 

女は夫がいるにも関わらず、他の男の子どもを産んだ罪で、晒し者にされたのです。

当時の姦通罪です。

 

胸に縫い付けられた『A』は「姦通」または「姦通を犯した女」を意味するAdultery、Adulteressの頭文字です。

 

現代のアメリカじゃあ考えられない世界感です。

米国テレビで放映されたドキュメントでは、若い女性が男と何人寝た、なんてこと自慢しているのが、平成からの令和の時代です。

 

緋文字『A』が大安売りの時代に、この当時の空気は読めません。

 

日本でも、戦後から30年くらいは、まだそうした空気が残り、女性にとっては息苦しい時代だったかもしれません。

 

急激な変化はバブル前くらいからでしょうか。

オババの青春時代は処女性が非常に大切にされた時代です。

 

「あの人は、私に優しかったけど、愛してはくれなかった」と、ポツリと呟いた叔母。

 

雨が降りそうな空模様に、もうすぐ梅雨だと思いました。

 

to be continued

 

追伸:ヨーダでありますが、実はブロ師匠さっとんさんに、そう呼ばれてインスパイアされ書いたものです。

 

さっとん (id:m-tora)さんの記事は、非常に読みやすく、参考になる専門的内容が整理されて書かれ、初心者必読だと思っています。

 

ブログ作成のために勉強になることがいっぱいで、アップされたときは、いつも読んでます。

今回はさっとんさんに敬意を込めてのヨーダであります。

 

で、私、ヨーダじゃないから。レイア姫とお呼び!

 

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映画『緋文字』『スカーレット・レター』

 

この小説は何度も映画化されました。

古くは1934年公開の『緋文字』

1972年公開ヴィム・ヴァンダース監督の『緋文字』も有名であり、

1995年公開の『スカーレット・レター』はデミ・ムーア主演でした。

 

最近では、2010年公開の『小悪魔はなぜモテる?!エマ・ストーン主演。ここまでくると別物って感じですか、脚本を書く上で緋文字が影響されたそうです。

 

ま、それほどの名作だってことでしょう。

 

時代背景には、当時のアメリカン・ピューリタリズムが深く関係しています。

 

ピューリタリズムとは

1 キリスト教のピュリータンの思想および信仰。清教徒主義。
2 潔癖主義。厳正主義。

と、グーグル先生が書いてます。

 

堕落したイギリスの国教会から、ピュアになろうとして、迫害された人々。

彼らが米国に逃亡して、ニューイングランドに村を作り厳格な清教徒主義を貫いた歴史のなかで、そりゃあ、まあ不寛容にもなろうって話です。

緋文字も活躍してそうです。

民衆のはけ口が魔女裁判的な行動に向かうと、恐ろしかったでしょうね。

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