スピンオフを書いてますけど、それでね、泣いてます。
お元気ですか?
現在、カクヨムに出稼ぎに出て、コンテストに参加中のアメです。
応募した異世界ファンタジー作品、今日の段階で、2614作品が応募されていて、もうね、拙作、すっかり埋もれております。
ま、それはしょうがない。
カクヨムで書いて、まだ半年。
前回に冒頭の短編2話を掲載したんですが、それで、悲しい現実を突きつけられております。
さて、物語が完結したあと、そのまま、スピンオフ作品を書いております。
そして、あろうことか、コメントに、その脱力したスピンオフの方が面白いと、
いや、それはない。
絶対、ない。
あってはならんことだ!!
だって、それって、これだよ。
もう5話まで書いた、こっちのほうが評判がいいって、どういうこと?
一応、読まれたことのない方に登場人物のご紹介。
ハカセ:地球に住む、主人公サラの育ての母親。研究者。
レヴァル:フレーヴァング王国出身、主人公を愛するエルフの美貌の男
マセコ:サラの幼馴染でいっしょに異世界に行った嫌味な親友
スピンオフ作品「ハカセの愛した旧式」
=とある日、とある時間、地球=
レヴァルは現代にいて、サラの育て親、ハカセの家のドアを叩いた。
「ハカセ」
「レヴァル、なぜここにいますか」
「いや、つらい報告がある」
「そ、そう、そうですか」
ハカセ、なぜか油汗を流していた。
「いや、実はな、私もその心苦しい」
二人はお互いの顔を見つめあった。
「フレーバング王国で、サラに起きたことを報告せねばと、空間を移動してきたのだが」
「フレーバング王国? フレーヴァング王国では? バじゃないヴァ」
「そこ、書いたタヌキが本文でも適当に間違えてるから。って、そこじゃない。サラのことを報告に来た」
「いや、ここは、しっかりしときたい。フレーバングなのか、フレーヴァングなのか。ある方からも、ご指摘があった」
「正しくは本文を読むのだ」
「なぜ、そこで、はっきりバじゃないヴァと言わないのですか」
「いや、それは作者もどこでどう間違えてるのかわからんようで」
「そうか、忖度するところ、ですか」
「力いっぱい、忖度するところのようだ」
「……救いを」
「救いを」
「救いを!」
「いや、そこは救いじゃない! とっとと、校正してこんか。アメタヌキ!!」
ぽんぽこ〜〜〜ぉぉお……
******
「で」
「サラのことを」
「いや、それは、ここに来ないほうがいいの、……です」
ハカセ、非常に歯切れが悪い。
そして、ドアを閉めてしまった。
「だから、レヴァル。サラを探すのに、最初にハカセんとこ行くって、やめとこって言ったじゃない」と、マセコが背中をバンっと力任せに叩いた。
マセコ、平常運転の嫌味女全開で叫んでいる。聞こえてっから、ハカセに丸聞えだから。レヴァルとしては丁寧に話そうと思った、その目論見が最初で消えて怒りを覚えた。
「あんまりに安いじゃない。いきなり、母親んとこきて、サラ、いますかって」
「いや、だから」
「言ったでしょ。厳しい旅になるって、それが、これかい」
「いや、ハカセなら、もしかしてヒントがと」
レヴァル、超のつく美形で言ってる。その横で、なぜかハカセ、家のドアを閉めた。
「ないわぁ〜〜〜。玄関払いされてる」
「ハカセ」と、レヴァルがドアを叩いた。
「叩くんかい」
「惚れた男の弱みだ。なぜか、呼ばれてる気がする」
「なんに」
ドンドンドン。
「忙しい」と、ドア越しにハカセの声がした。
ドンドンドン!!
マセコが今度は気が狂ったみたいに叩いた。
「どうした」と、レヴァル。
「ふん、私とあのバカとは付き合いが長い」
「だから」
「だから、ドアを開けよ!」