アメリッシュガーデン改

姑オババと私の物語をブログでつづり、ちいさなディズニーランドに・・・、な〜〜んて頑張ってます

最終話【結婚と高齢出産】出産は心臓に悪いって、それ周囲がね。ドキュメンタリー映画『うまれる』

出産という修羅場

 

世の中には、ほとんどの人が認知していないけど、でも、その世界には、その世界なりの隠れた英雄っているもんなんだな。

 

私、見たんだよ。

誰って、義理イトコ優ちゃんの出産で。そこでね、見たんだ、真の英雄の姿って、プロの仕事ってのを。

 

もうね、中島みゆきさんの『地上の星』がバックに流れていた。ガンガン響いていたね。それも、デーモン閣下が歌うほう。

 


デーモン閣下 地上の星

 

優ちゃんが陣痛がはじまって産まない!ってトンデモ妊婦になっているとき、助産婦さんの背後で、後光のように鳴り響いていた。

 

🎵みんな何処へ行った見送られることもなく

🎵名立たる者を追って輝く者を追って人は氷ばかりつかむ

🎵つばめよ高い空から教えてよ地上の星

 

陣痛がはじまり赤ちゃんが出かかっているにもかかわらず。

「産まない! 中に戻して!」と、叫ぶトンデモ妊婦に果敢に挑んだ助産婦さん。

地上の星』って呼ばせて。

 

彼女、ショートヘアでそばかすが多く、とてもちっこい人だったけど。たぶんアラフィフか? たとえば、スーパーで買い物カゴ下げていたら、完璧に風景に同化する、そんな平凡なオバさんなんだけどね。

 

白衣を来て、いざ、出産となれば・・・

 

若手の看護師を背後に従えた最強戦士。

時に医師さえ、その言葉にドギモを抜かれる。

 

もうね経験値的には99の最強戦士!

ドラクエの魔王を余裕で倒せるって思う。下手なモンスターなら、「逃げ出しました」って、見るだけで消えてく!

 

地上の星』です。

 

対する優ちゃん、ある意味、真の裏ボスだから。

ちょっとやそっとの経験値で、こやつをなんとかしようなんてな事おもったら、歯も立たない。前歯を折られて、ソク退場だから。

 

ベテラン助産婦VS天然初産婦の戦い

 

優ちゃんのしでかしか過去から、たとえ最強助産婦でも、これは手こずるって思っていた。

私、プロってのを完璧になめてた。

プロジェクトXの仕事、舞台袖の間近で見せてもらった。

 

「産まないから・・・」と優ちゃん「赤ちゃんを中に戻して」って、フーーヒッヒッーって、逆に呼吸してる。

意味ないけど、それ。

でも、優ちゃんなりに頑張ってるわけ。赤ちゃんが生まれかかっているにも関わらず、子宮に戻そうとする優ちゃん。というか、戻るはずないけど、自然の法則に反しているけど。

優ちゃんだから!

 

で、普通なら、妊婦の協力なしに子どもが産まれない。

適切なときに適切な時間、イキんでもらわにゃならん。

どんな痛くても、頑張ってイキミ、次に力抜いてって、その繰り返しを陣痛の最終段階で適切に行うことが大事で。

 

と、助産婦さん、そこでね、あくまで妊婦に逆らわない。

 

「大丈夫ですよ。お母さん、太郎さん、もうすぐ来ますからね。赤ちゃん、待ってますからねぇ」

 

優ちゃんが生むのに抵抗しているのは、夫の太郎が来てないからで、でもって家族の誰も太郎がどこまで来てるかなんてわからない。

願わくば方向音痴じゃなきゃいいけど。

病院に向かってればいいけど、でも、ベテラン助産婦、来ますって断言しちまってる。

 

「まだ、ハッハッ、太郎さんはまだ?」と、優ちゃん。

「来てますよ」

「ハアハアハア・・・どこに?」

「すぐそこに、さあ、ヒッヒッフ〜〜、息をとめて、さあ、吐いて。そう上手ですよ、お母さん、赤ちゃん、もどってますからね」

 

戻るか!

 

もう出かかってるから。

 

でもって優ちゃん、抵抗してる。すごく痛いはず。間違いなく激痛のはずなのに、まだ抵抗してる。と、助産婦さん、さらに押した。

 

「産まない」という優ちゃんに「産まれない」と優ちゃんに寄り添う助産婦。

もう、半分、頭が見えているのに、産まれないと、子宮に戻っていると断言してる!

 

優ちゃん、赤ちゃんを子宮に戻すつもりで助産婦の術中にハマってる!

「は〜〜い、赤ちゃん、出てき。いや、中にはいってきましたよ! 生まれませんよ〜〜。頭が出て、じゃない入ってますから、もうちょっとで。ほら、フーーー、ヒッヒッフーー、さあ、ここで、子宮へ押しもどしましょう、ふ〜〜、うん!」って。

 

「ふー、うん!」

 

「肩が・・・、いや、肩が、もうすぐ出ま、じゃない。ともかく、中に入った。上手、お母さん、上手。ぜんぜん、産まれません!

もうちょっとで、産まれません!!」

 

いや、産まれてる! 

ほとんど出てる!

 

その時、入院部屋に一陣の風が吹き込んだ。

 

「あ、男性は」って、付き添いの看護師が言った瞬間。

「太郎さん!」

「優子!」

 

ありえねぇ!

もう、優ちゃん。ありえへん、ツウの!

 

普通ね、妊婦ってね。赤ちゃんが出るとき激痛なんだ。

ロマンチックできるはずなんて、ツユもない!

断言できる。これだけは経験者として断言できる。

 

髪は額に張り付き、真っ赤な顔をして、汗みどろで、

そこで、優ちゃん・・・

微笑んだ!

 

ないわ〜〜〜!

 

二人の世界、太郎と優子でふたりの世界作ってた。

地上の星助産婦も置いてっちまった。

 

その瞬間、部屋にこだましたのは赤ん坊の泣き声。

 

ふんぎゃあ、ふんぎゃあって。

高らかな勝利宣言!

 

顔を真っ赤にした太郎くん。

優ちゃんから助産婦さんに視線を移した。

 

「おめでとうございます。かわいい女の子ですよ」

助産婦さんの声とともに、なぜかハッピーバースディの音楽が室内に流れてきた。

 

優ちゃんを果敢にも嫁にもらった、別の意味で『地上の星』太郎が、その瞬間、その場で180度に体を曲げた。

 

「お父さんですか」

「はい、ありがとうございます!」

 

太郎、180度のまま、力強く言った。

彼、顔を上げない。いや、上げれないのだ。

お辞儀をしたままの姿勢で、拳で顔を拭うと、鼻をすすり、もう一度「ありがとうございます」と言った。

 

「お父さん、ちょっと待ってくださいね。赤ちゃんの体を洗って、測定しますからね。そうしたら抱っこしてくださいね」

「は、はい」

 

太郎、何も言えない。ただ、曲げた体を起こして、優ちゃんをみた。

「がんばったね」

 

全員の視線が優ちゃんに向かうと、

 

そこで、

優ちゃん、気絶していた。

 

ー おわり ー

 

このお話は、ここから始まっております。お読みいただければ嬉しいです。

 

funyada.hatenablog.com

 

 

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ドキュメンタリー映画『うまれる』

 

ドキュメンタリー映画『うまれる』

2010年日本公開

監督:豪田トモ

ナレーション:つるの剛士

 

『赤ちゃんは親を選んで生まれてくる』

 

4組のそれぞれ立場の違う家族の出産を追い、2年間、彼らに張り付いて撮影した感動のドキュメンタリー作品『うまれる』です。

 

出産がテーマの作品ですが、赤ちゃんが生まれることを単に描いたものではありません。

 

自分の生育過程から親になることへの不安を覚える夫婦、死産、不妊、障がい児・・・、それぞれ問題を抱える4組の夫婦が、さまざまな葛藤を乗り越え、今を生きるために真っ正面から出産に立ち向かった姿を描いています。

 

家族の形を考えされられるいい映画です。実際、世界中から放映のオファーがありました。数々の映画賞を受賞した作品です。

 

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