【外国みたいな風景に憧れて 3】そして東京へ。チャラ男の恋は一瞬だった
婚活アラサー女子とサイコで、ゴールデンウィークを満喫しているアメリッシュです。
ついに最終目的地、東京へ向かいました。
赤坂見附近くのホテルでローズガーデン・スペシャルマンスがオープンしているというのです。バラと聞いては、行かねばなりませぬ!
赤坂付近は常にも増して警備が異常でした。令和の式典で皇室の方がたが移動するためでしょう。
最初に旧李王家東京邸、現赤坂プリンスクラシックハウスと花壇を見ました。現在はレストランとして営業しています。ヨーロッパにある古い洋館のような佇まいです。
翌日は、ザ・プリンスギャラリー紀尾井町の36階にある『OASIS GARDEN』というレストランでランチブッフェ。自宅から千葉、神奈川、東京とドライブしてきた埃を落として、贅沢しちまいました。
場所柄か外国人が多かったです。隣席も若い白人女性と日本人男性の二人組。
女性はわりと小柄で可愛いらしい人でした。ブルネットの髪を自然に束ね。
ニューヨーカーというよりも、中西部の田舎から留学で来た大学生という雰囲気、チェックのシャツに白いスカートがナチュラルです。
一方、男性、やはり学生らしいが、読者モデルかとばかりに、キメまくっています。黒い革ジャンに黒いスキニーパンツ、裸足にスリッポン履いた姿はテンガロンハットを被れば、そのままモデル雑誌デビュー・・・はい! 令和一番のクールな男コーディネート、さあ腹筋つけて、プヨプヨお腹は夏までに5キロダイエット!
私の息子なら、はっ倒す!!
二人は片言の英語で話していました。
おそらく初デート! アメリッシュ男女事情第2弾です。
千葉のアラサー女子からーーーの、国際カップル、チャラ男と田舎出のまじめ女子。
「なんちゃら、かんちゃら」
ときどきスマホの翻訳機能を使いながら、チャラ男は片言英語で自分自慢のオンパレード。
どんだけ自分を愛してるんだ!
有名大学に通い、家は金持ちで、将来はデザイナーとか、独立して会社を経営するとか、なんとか。さすがに嘘でしょ。盛大にモっているでしょ。外国人だし、わからないだろうと、たかをくくっているな。
アメリッシュだってな、あるブログコメントで美貌の女王と書いてやったぞ。普通は言えんからな。非日常な場所、外国人相手ってことで少しは理解してあげる。
ただ〜〜し! 息子なら、はっ倒す!!
と、その時、私の耳に妙な英語が飛び込んできました。
「envy」
なんだ? 直訳すれば、『羨ましい』。
え? さんざん自分語りして、なにが羨ましいのだ。
思わず、チラッと二人をみました。相手の女性も奇妙な表情をしています。
“your skin(君の肌)”
ん? まさか、肌が羨ましい?
“You are beautiful(君はきれいだ)”
肌が羨ましい、からのキレイ? 確かに褒めてるんだが、しかし、こ、これは・・・。
女性も困惑した表情を隠さない。
いいか、若造よ。
英語の「You are beautiful」にはセクシーだというニュアンスが含まれるんだよ。相手は学生で、化粧っ気もない。素朴な女性だ。あきらかに言葉が違うぞ。この場合、Pretty(かわいい)が正しい。
自慢オンパレードのあとでこれじゃあ、ほら、ドン引きしてるじゃないか。
気づいてないのか?
それにな、envy、辞書には羨ましいとあるが、どっちかいやあ、意味は嫉妬に近いし、主に女性が嫉妬するというニュアンスなのだ。
つまり、この会話を意訳すると。
「アタシね、あなたの肌に嫉妬してんのよ、そんなにセクシーなんだもの」と聞こえてくるんだよ。
いいのか? それで。いいのか? 本当にいいのか!
その時、女性がフォークとナイフを置いた。
“today”と彼女は宣言した。
“I wash my hear”
直訳すれば「髪を洗うわ」という意味だが、スラングで、意味は「今日は予定があるの」だ。
つまりチャラ男。断わられたのだ。
キョトンとすな。
「失礼」と、ふいに彼女が流暢な日本語を使った。
本当に外国訛りのないキレイな発音であった。
「わたしね、ずっと予定がつまっているの。おいしい食事ありがとう。半分はらうわ」
そう宣言すると、財布を取り出し数枚の千円札をテーブルに置いた。
そして、すっと立ち上がり、スタスタと歩き去った。
ブラボー!
さて、隣にあるホテルニューオータニではローズガーデン・スペシャルマンスがオープンしていました。
ローズガーデンの薔薇は、まだ蕾の状態でしたが、一部で真紅の薔薇が咲いていました。すべて満開になれば、さぞ壮観な眺めになることでしょう。たぶん、それは見れないでしょうが。
この場所、ものすごくわかりにくい場所にあるんです。ニューオータニ会員のラウンジを通り抜けるしかガーデンに行く方法がありません。まさにシークレットガーデン。会員ラウンジの入り口にはメンバー以外、入れませんという看板まであります。
親切なスタッフが迷っている私たちに声をかけてくれたので入れたのです。
一般公開だから、会員でなくても行くことができるのですが。あの場所を通り抜けるの、かなり度胸がいります。
さすがのアメリッシュ も、もう一度はできません。