アメリッシュガーデン改

姑オババと私の物語をブログでつづり、ちいさなガーデンに・・・、な〜〜んて頑張ってます

【婚活 その6】恋する女はホルモン全開。年齢なんて、関係ない! お肌はツヤツヤのエストロゲン効果

《オババ》私の姑、究極のディズニーオタク。ディズニー愛がすべての豪傑

《叔母》ひとり娘をこよなく愛する優しすぎる叔母、娘の婚活に悩んでいるオババの妹。

《優ちゃん》叔母のひとり娘。究極の箱入り娘。39歳で初恋。結婚詐欺問題が発生中。

 

その日の午後、オババとともに叔母の家に車を走らせました。

ドアフォーンを押したのはオババです。

♪ピンポーン

いきなりでした。

ドアが思いっきり激しく開いたので、思わずのけぞり、オババと横一列、ふたり同時の華麗なイナバウワー。

「わあ、二人でいらしたの。うれしい」

満面の笑みを浮かべた優ちゃんが立っています。

 来訪者ふたりを同時にイナバウワーさせたなど、どこ吹く風。

そうだ、こいつはそういうやつだ。近くにいると常に危険を伴う。

危険物取り扱い注意の天然女であった。

「こんにちは」

ぴょこんと頭を下げ、そのまま、10秒ほど深々と下げている。

無邪気です。39歳という年齢を跳ね返し、若い頃よりふっくらした顔は、まるで菩薩。表情は愛されている女の輝きで満たされています。

ま、まぶしい!!

白馬の王子がやってきた女特有の輝き。

そんな王子、アメリッシュの前にいたのはいつの日か・・・。

確か、一瞬だが出会ったような気がする。

王子は、しかし、賞味期限が短すぎる。実際は消費期限てなくらい短いからね。

恋心に手を抜くと、すぐ、どこにでもいる青年になりさがり、手をこまねいているうちに普通のおじさん、そしてやつれたオヤジに変化していく。

開封直後から、それこそ身も蓋もない腐れかたをする王子を、日々、観察してきた私。

食事をする王子も、くしゃくしゃ頭を掻く王子も受け入れているうちに、飛べない豚になっていた。

 

そんな私に、優ちゃんの輝きは眩しすぎます。

女性ホルモン・エストロゲンを大量に放出しています!

肌を輝かせ、目を潤ませ、全身ツヤッツヤッしています。

そのエストロゲンの無駄遣い、少し私に回せって、さらに必要なオババは、すでにエストロゲンが何ものかさえも体が思い出せなくなっているぞ。

 

で、

アメリッシュ、なんとなく目をそらして、オババもやはり右30度に背けていて・・・

 

せつない・・・

 

そして、憐れな優ちゃん、そんなふうに幸せいっぱいで。

許すまじ、詐欺師! 思いも新たに先に声をかけたのはオババであった。

「優ちゃん、ちょっとね、あなたにお話があって」

「お話? わたしに?」

まったく屈託がありません。屈託という言葉の意味も知らないにちがいありません。

一方、部屋に入ると、先日より、更に憔悴した叔母がいました。

「来てくれたの、本当に良かった。来てくれたのね、ありがとう」ってヒソヒソ声で縋(すが)りついてきます。

この雰囲気、以前に経験があったような。

なにかに似ている。そう感じて、すぐに思い浮かびました。あの、お通夜の雰囲気です。叔母の雰囲気は、まさしくそれでした。

お坊さんが読経をあげていないのが不思議なくらいの臨場感で叔母が通夜をしています。

私たちも、つい小声になりました。

「大変だったわね」

「ええ、ええ」

「私たちがついてからね」などと囁き声になっています。

「生前は」と、ふと口に出してから、優ちゃんは生きていると口を塞いだ私。

そのとき、素っ頓狂な声が聞こえてきました。

「なにか秘密の話? 優子りん、聞いちゃいけないの?」

明るい声で優ちゃんが微笑んでいます。

 

お通夜のようなしめやかな雰囲気に、ひとりだけ恋の国の住人感だしてます。

そして、冷蔵庫から出した作り置きのジンジャーエールをコップに注ぎ、四つのコップを同時に手で持とうという暴挙に挑んでいます。

優ちゃん! 危ない!

思わず走りよって、落とす直前に間一髪キャッチ。

我ながら、この瞬発力には関心しました。オババと叔母も、おおという表情をしています。

「優ちゃん」と、オババが強いて明るい声を出しました。

「好きな人ができたんですって」

「ママから聞いたの?」

「そうですよ。どういう方かしら」

優ちゃんの顔、みるみる真っ赤に変化しています。恥じらいなんてもんじゃなく、真っ赤です。りんごのようです。

39歳、おそるべし速度で赤くなりました。

「それでね。ちょっと聞きたいのだけど、相手の人のこと」

「うん」

「お相手の方とお金の話しました?」

「うん」

優ちゃんからタッチしたジンジャエールを、テーブルに並べているにもかかわらず、オババ、いきなり私の手首をつかみました。

違う、オババ。手錠をはめるのは私じゃない。

目があうと、思わせぶりに私にアイコンタクトをしてきます。顎を上にクイックイッとあげています。

次に聞けということか? オババァ、聞きづらいこと、こっちにふんな!

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優ちゃん、にこにこして座っています。その場所だけ、ほんわかとしたムーミンワールド

私、怖いもの知らずのリトルミイになる決意をしました。

オババはどうもスナフキンを選んだようです。

「優ちゃん、その相手のひとにお金を貸した?」

「まあ、どうして知っているの? アメリッシュ姉さま、すごい!」

「それで、いくら貸したの?」

詰問する声がしゃがれて、まさにリトルミイそのものです。

「この前ね。レストランでね、貸したの」と、動じる気配もなく素直に白状します。

「で、いくらなの?」

「そこのレストラン、高かったの。でね、太郎(仮名)ちゃん、お財布が見つからなくて、でね、私が1万円ほどで払ったら、あとで返すって、すごく恐縮するの。かわいいでしょ」

かわいくない!

オババは怒りで顔を赤くし、叔母は青ざめた。

「今度ね」と、スナフキンオババが宣言した。

「その太郎ちゃんに会わせてくれない」

「恥ずかしいけど」

「恥ずかしくないわ。私たちが会いたいと。優ちゃん、大事なことなの、わかった」

「うん、連絡するね」

素直です。素直が人間になって、そこに座っています。

 

太郎よ! 覚悟はいいか。

3人の魔女が呪文を唱えながら、会いにいくっかんな。

 

 「きれいはきたない、きたないはきれい(fair is foul, and foul is fair

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