アメリッシュガーデン改

姑オババと私の物語をブログでつづり、ちいさなガーデンに・・・、な〜〜んて頑張ってます

【婚活 その3】ディズニーと婚活とAK男子ならぬAK女子かぁ?

前回までのブログ内容、ご存知の方は緑字の後ろからお読みください。

《オババ》姑、究極のディズニーオタク。夏に九州で走るミッキー新幹線にどうしても乗車しようと企み計略を考えている。

《叔母》ひとり娘をこよなく愛する優しすぎる叔母、ひとり娘の婚活に悩んでいる。

《優ちゃん》叔母のひとり娘。究極の箱入り娘。

《これまでの話》オババは家族を巻き込んで九州旅行を計画中で、ミッキー新幹線のために夏休みを潰したくない私と、さまざまな攻防戦続行中。そこへ叔母娘の婚活問題が発生。詳細は下記ブログ参照

funyada.hatenablog.com
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 「優ちゃん、ね。この頃、へんなのよ。窓際でお庭を眺めながら、フゥってため息ついてるの。ときどき、バラの花をもってきて匂いを嗅いだり、そんな姿みていると、母親として、胸が痛くなるの。あの子、どうも恋したみたい」

コッコッコッコッ、コケコッコォー!

理解不能の言葉を聞いて、脳が秒殺で、そのありえない単語を切り裂き、そして、頭のなかでニワトリの鳴き声が聞こえるのに、コンマ0.1秒かかりました。

 

叔母の名誉のためにいっておきますが、とても優しく思いやりのある人です。

なぜ、こんなおっとりした気の弱い人がオババの妹なのかって、もしかして、赤ちゃんのとき取り違えがあったんじゃないかって疑うほどで。

なんならDNAを調査して、あっ、取り違えだって。それで優ちゃんとともに、本物の両親のもとへ戻り、取り違えたオババそっくりの妹をこっちに、

アカン、それはアカン。オババが二人、ナシです。読まなかったことにしてください。

「ほら、あの人、なんて言ったかしら。ほら、あのあの。ねえ、あなたならわかるでしょ。最近の男優の」

「はあ」

「いまテレビで、ね、ほら、Aとか男子がなんとかって、3人男のドラマで」

「ああ、東京独身男子ですね」

「そうそうそう。その、ほら、髪の毛がくしゃくしゃしている人」

それは高橋一生か、斎藤工か、それとも、滝藤健一か。3人とも頭はクシャクシャしてるから。最近のトレンドかってくらい、クシャクシャだから、滝藤さん推しの私も相手を特定できないです。

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「そう、思い出したわ。AK男子っていうんでしょ」

それと優ちゃんがどう関係するのか話が見えない。

ほら、隣でオババがイライラしはじめている。ミッキー新幹線をスタンバイして控えている!

ここは話を先にすすめるところだ。

私が協力します。叔母の話に全面協力するためには、なんだってします。応援監督にもなれます。

(叔母さん、がんばれ、今こそ、力を出し切るとき)

て、もう、私、箱根駅伝で車両から選手に声かける大八木監督みたくなって、

(2番手のミッキー新幹線はすぐ後ろに迫っているぞ。死力を尽くせ、その1秒を削り出せ! オウラアアアアア!)

心のなかで応援してました。

叔母の顔から、視線を外さず、凝視してました。

「AK男子ってなに」とオババが口を挟みます。

「A=あえてK=結婚しないからAK男子って、そういう意味なんですよ」

「じゃあ、優ちゃんは、あえて結婚しない女子なの?」

オババの声に少し棘がまじってます。自分の知らないことを叔母が知っている。そのことに、姉としてのプライドが刺激されたんでしょうか。姉妹ってどうでも良い所で時に張り合います。

「まあ、違いますよ。あの子、恋をしたんですよ」

こ、こ、こ、恋! 今度こそ脳が意味を理解しました。

生涯少女。12歳のまま初恋もせずに生きていくと、固く信じていた優ちゃんが、アラフォーで恋?

オババと思わず視線を合わせていた。オババの目が上下に驚異的に広がっています。おそらく、私も同じです。目の筋肉を感じてます。嫁と姑は、この時だけはお互いの心を深く理解しました。信じられない出来事に出会ったという思い。

ドアの外から宇宙人イカが、『おはよう、アメリッシュ。お庭、素敵ですね、ギギギギギ』って言ったとしても、これほど驚かなかったにちがいありません。

「相手は?」

「お相手は?」

同時に叫んだ。声が完璧にハモった。

「だから、あの頭がもじゃもじゃの人」

「もしかしてテレビの人ですか」

「いえ、もじゃもじゃに似た人に会ったんですよ、お見合いで」

うわーー。やっとわかったって、まだ、何も解決していないが、要するに、あのイケメン3人の誰かに似た男に会って、初恋したって、そういう話。

しかし、あの3人、顔的には振り幅ありすぎて、どの人かわからない。

斎藤工似は一番ムリパターン、あの手のタイプに優ちゃんって、それ、遊ばれて終わりだから。

「写真は? 写真はあるの」

オババ! ナイス。

「ええ、ええ。写メしておきましたから」

叔母も、ナイス。

で、叔母が、いそいそって感じで、そのお見合い相手の写真。取り出したわけ。もう祭壇に奉納するんじゃないかって、そんな感じに。

オババが見ました。

私も、立ち上がってソファの背後から、その写真を・・・。

どこが斎藤工だぁ? どれが高橋一生だ? 百歩譲って、滝藤健一の顔を思いっきり横に広げたおじさん。確かに、髪はボサボサだけど。髪だけ似てるけど。

それに写真、ちょっとボケてる。まるでズームしたみたいに。どこかの喫茶店だろうけど、間に観葉植物が入っています。

盗撮したのか、叔母よ、相変わらず優ちゃんのこととなると理性が消えてます。

「こ、この方に、優ちゃん、恋を」

「そうなのよ。すごくいい人だったらしくてね。あの子、恋に落ちたの」

「どんなふうに」と、オババ。まるで刑事が犯罪者に対するような詰問調になってます。

「あの子が何をいっても、うんうんって聞いてくれて、それで、なんて可愛いんだって、いつもそういってくれるらしくて」

「いつもって、どのくらい?」

「何度もですよ」

「3回以上?」

「ええ、ええ、もう5回くらいはデートして」

優ちゃんが3回のジンクスを超えて、まだ会っています。これって?

「職業は?」

「えっとね。なんでも、東京の郊外で農業しながら、自由になさっているそうで。土地をたくさん持ってて、お金持ちみたいなの」

「年は」

「35歳」

「年下ってこと」

「そうですよ」

「相手のご両親は」

「それが、早くに亡くなっていて」

悪くはない。悪くない条件だ。その上、顔だって、まあ、いけます。だからこそ不安を感じたのは私だけだろうか?

「どなたの紹介ですか? 知り合い、それとも婚活会社のどこかで」

「いえいえ、違うの。あの子、スマホからの連絡で」

スマホ? それ、どういう意味?」

オババの声に緊張が走っています。犯罪の証拠を見つけた刑事のような鋭さでツッコミました。

「どういう意味って、優ちゃんのスマホにその人から連絡が入ったんですって。お見合いサイトとか、そんなところに登録しましたから」

なんだか嫌な予感しかしない。

書き忘れましたが、叔母の夫は、定年後も会社役員をしております。いまも家を開けることが多く、昔から世界中を飛び回っている有能なビジネスマンです。単身赴任も多く、ほとんど家にいないのが難点です。

平凡な技術系サラリーマンとして仕事を続け、最終的に係長で退職したオジジとは違います。

オババとまた目が合った。

その目は、アメリッシュ! 出動だ! 行け!と告げてます。

 

その瞬間、私ははっきりと理解しました。オババの頭からミッキー新幹線は消えました。

 

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2015年の国税調査により

40代前半の未婚率29.3%、後半で25.2%。4人から5人に1人が未婚。

35年前の1980年代は、生涯未婚率は5%未満、20人に1人。

2015年の生涯未婚率は、男性は4人に1人、女性は7人に1人。

 

AK=(A)あえて(K)結婚しないのか、それともCK=(C)したくても(K)結婚できないのか。そこのところは、国税調査のデータでは調べきれてないようです。

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