今週のお題「夏を振り返る」
日本人が考える日本の英雄といえば、やはり織田信長でしょう。
明智光秀は、日本人贔屓(ひいき)の、その信長を襲ったのです。
卑怯な手口からも、随分と嫌われてまして、で、実際はどうだったと、夏の自由研究として調べた結果を、【明智光秀の謎】として書きました。
すっかり歴史にはまっているアメリッシュ です。
【明智光秀の謎】全5回、読まれたかた。
本当に本当に、ありがとうございます。
そして、
ご安心ください。
洗濯機に身投げしたリモコンは、無事生き延び、私の寵愛をうけてます。このタフさなく、私の元で生き延びるのは難しいと悟った愛(う)いやつです。
さて、織田信長以外に日本人が英雄だと古くから考える人物といえば、
源義経、坂本龍馬、大石内蔵助の率いる赤穂浪士、沖田総士などなど。
有名どころですが、
ここで気づかれたことありませんか?
そうなんです。
全員が悲劇の結末を終えているんです。
道半ばで倒れた人物ばかり。
その中でも、信長は筆頭でしょう。
強烈な個性、あっという間に日本を統一寸前まで導いた手腕。
そして、倒され、もう一歩のところで最後を迎える。
その時の言葉が『是非もなし』
敦盛を愛し
『人間50年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり』が好きな男でした。
この諦観、この行動力、この生き様。
見事です。
かっこよすぎます!
昔から、日本人は判官贔屓(ほうがんびいき:弱いほうに同情して味方になることの意)です。
で、織田信長はその全てを兼ね備えた人物です。
しかし、私、驚きました。
世界は違った。違ったんです。
外国人が取り上げた英雄は、織田信長ではなかったのです。
BBC制作『ウォリアーズ 歴史を動かした男たち』(huluで公開中)
huluで公開中のドキュメンタリードラマ『ウォリアーズ 歴史を動かした男たち』は、英国BBC制作で、6人の英雄を取り上げています。
ナポレオン
コルテス
リチャード獅子心王
アッティラ大王
そのメンバーに堂々と入った6人目は。
なんと、徳川家康!
驚きました。
日本で制作したら、間違いなく、この6人の1人に選ばれるのは、
織田信長をおいて他にないじゃないですか。
いやね、いいですよ。
徳川家康。
確かに、その後の江戸幕府264年の平和の歴史を築きました。間違いないです。
し、しか〜〜し。
このたぬき。ちと狡い! 狡猾すぎて、いさぎよさもない。
最初のころは、武田信玄に戦いを挑み、負けまくって、恐怖のあまり脱糞(だっぷん)した男です。
天下統一にあたり、秀吉の遺児と淀君をじわじわと陥れ、城周辺の掘りを埋めさせ、大阪の陣で完膚なきまでに叩き潰した男でしょ。
それも秀吉の泣き泣きの遺言、「秀頼を頼む」を、あっというまに反故にしたんであって。
それで、天下統一って。
いったい、天下統一、誰がその基礎を築いたんっだって話です。
すでに天下統一してたでしょって話で、実際したのは・・・
そりゃ、信長でしょ、秀吉でしょ、そしてうまいとこ全部持っていったんが家康じゃ!
判官贔屓です、私。
てか、ほとんどの日本人、みな判官贔屓ですから。
結果じゃなくてな!
そこ、間違ってる?
BBC制作の徳川家康
もうね、これ見事に外国人からみる日本。
ちょっと奇妙な感じを受ける。たとえば、カリフォルニアにある日本庭園を見た感じ。そうか、外国人は日本庭園に真っ赤な鳥居を途中にいれても奇妙だって思わないんだ。
外国からはこう見えるわけなんだって。
だから、ドキュメンタリー冒頭からすごいです。
『16世紀、イングランドでは、エリザベス王朝時代に』
って、いきなりイギリスをマウントとって始まるから。
日本の時代を考えるに、エリザベス女王を出すのが早道ってわけなんです。
そして、次にくるナレーションが、
『日本では熾烈(しれつ)な内乱の時代で、サムライの時代だった』
サムライって言葉を何回も出し、冒頭からガンガン押してくる。
私、もう日本人で、何代も前から純粋な日本人で、縄文時代のDNAから日本人してる。でも、番組見てると、ちとイギリス人の気分になってた。
このドキュメンタリー、むちゃ見応えがあるんであって、ツッコミ入れながらもガン見してたわけ。
それでもう、時間がすぎていくに従って英国人気分になってくるわけで、
「そうか」って、東方の国に、こんな凄い男がいたんだって思う。
だって、冒頭のエリザエスからの続きが、
『徳川家康は、シーザーやナポレオンに匹敵する』
ナレーション、高らかに宣言するんであります。ぶち上げてきました。
違和感、半端ないでしょう。
シーザーですよ。
ローマ帝国の基礎を作ったジュリアス・シーザー。
しかし、彼。
「ブルータス、お前もか」って、シェークスピアが劇中に言わせるほどの非業の死を迎えてるわけで、元老院を抑えローマ皇帝になって、これからって時に討たれた。
まさに、これこそ織田信長。
家康じゃないでしょう。
家康をローマ帝国で例えるなら、少なくともシーザーの後に帝国を築いたオクタビア・アウグストゥスであって、シーザーはちがう。
そして、ナポレオンに至っては・・・
絶対、違うと思う。
フランスでナポレオンが出てきた理由は、
フランス革命後に国が立ち行かなくなった時代です。
ギロチンの嵐が吹き荒れ、有力者全部殺しまくったあげくに、近隣諸国から攻め込られそうになって出てきた英雄がナポレオン。
その後半生は惨めだった。セントヘレナ島に追放されて、失意の内に亡くなってます。
ナポレオンに例えるなら、少し強引さは否めないけど、源頼朝に追い落とされた源義経です。
そこ、家康じゃない。
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う〜〜〜ん、誰も思い浮かばない!
そこが、あの革命後のフランス悲劇かもしれない・・・。
で、BBCが取り上げた6名のなかでは、せいぜいリチャード獅子心王が家康?
いや、全く違うし、この人もどっちか言えば、織田信長寄り。
ともかく、BBC、徳川家康をシーザーやナポレオンと対比するのは間違ってます。 違和感ありすぎです。胃のあたりがモゾモゾします。
だから、日本人からみた日本人の英雄と、外国人から見た日本人の英雄との落差に驚いており、その上に家康役のアジア系男性、怖すぎたし。
もちろん、家康も英傑ですが、ちょっとね。
もう、このドラマを見るならね、青い目で見るしかない。
さて、BBCがこのドキュメンタリーで取り上げたのは、6人の英傑です。
ナポレオン、徳川家康、スパルタカス、コルテス、リチャード獅子心王、アッティラ大王
徳川家康がここに入っても、実績からみれば問題ないです。
そして、さすが天下のBBC!
すばらしく見ごたえのあるドキュメンタリー作品でした。
夏の後半は、奈良、京都に旅して、歴史に明け暮れていました。
昨日、帰ってきました。
銀閣寺も見てきました。
多くの外国人がきてました。
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残暑が厳しいですし、台風も近づいてます。どうか、みなさま、お身体ご自愛くださいませ。
それから、いつもブックマーク、スター、コメント、本当に感謝にたえません。ブログを続けるモチベーションになっております。
本当に、ありがとうございます。