「オババよ!
なんだか、あなたに勝った気がする。ある記事でファストパスについての魔法を知り、私はオババに勝てた気がするんだよ。
しかしな、オババ。なぜかわからないが、私は、それがちょっと悲しい」
ディズニーでは待つことが仕事です。アトラクションに乗るために待ち、食べ物にありつくために待ち、パレードを見るために待ちます。
人生の大部分は待つことで成り立つと、ディズニーは教えてくれる非常に熟練した教師であります。
そして、また、人生には別に、安易な生き方がある事も教える狡猾さもあります。
ファストパスを持つこと。
それは行列のない道をスキップしながら、ただアトラクションに向かって突き進む安易な道。
まるで王侯貴族になった気分。
となりのスタンバイコースでは、庶民が終わりのない行列にただなす術もなく立ちつづけ、恨めしげな視線を送ってきます。
それは優越感と少しばかりの罪悪感を感じる瞬間でもあります。
ファストパス、それはディズニーにおいて最高の切り札であり、特権です。
ファストパスを取得するために、朝早くから人は走り、これを取得するために並ぶ努力を払った者だけが得る、限りなく頑張った自分への最高のご褒美。それがファストパスであるはずです。
ニューズウィークの記者が統計学を使ってなんちゃらかんちゃら、長い記事を書いていました。
しかーーし、その結論はひと言で・・・
ファストパスで待ち時間は短くならない
これであった!!
ガツンと一発、脳天を棍棒で殴られたような衝撃です。
世の中に神はいないのか!
眼前に、キングダム王毅が現れ、大槍を片手に馬上から
「おほほほ、アメリッシュ。どういたしました?」と声をかけられたくらい衝撃です。
どういうことですかぁ?
記事によれば、ファストパスの仕組みはディズニー魔法であり、実際は同じ時間だけ待たなければならない。スタンバイと同じか、いや、それ以上待たされていると書いています。その、ふざけたカラクリ。
頭がクラクラします。
クラクラしながら、説明にはいります。
ファストパスを利用した方はご存知のように、時間指定があります。その指定された時間にアトラクションに迎えば、5分ほどで乗れます。
つまり待たなくても済む。このどこがスタンバイと同じなのだ!
アメリッシュ、納得ができません。
頭が悪いのか?
あるいは、ニューズウィークがバカなのか。
かの記者に直談判しに行けるほど納得がいかん!
記事には『列に並んで待つ代わりに、その場所からは解放されるというだけ』と書いてありました。
ん? 場所から解放されるだけ。
う〜〜む、確かにそう言われると、アメリッシュ、・・・となります。
あなたは正しいのか。
正しいと認めざるを負えないと言わざるしかないとは言えないとは言えないと認めることに、やぶさかではない。
(いったいどっちだ。正しいのかそうでないのか。記事を認めたくなくて難解な否定文をとっさに書いてしまった私。この文章を簡単に理解できた、あなた。そうあなたのことです。あなたの脳はすごい、認めましょう。で、どっちになった?)
つまり、こういうことになります。
待つことは待つが、並んでは待たないだけということ。結局は別の場所で待っているのです。
してやられました。
ディズニー、どこまでもあざとい。
な、オババ。私の悲しみが理解できるか?