ラベンダーに憧れて(復刻版)
『まだまだ、ブログについて使いこなせていないアメリッシュ 。今朝、(ラベンダーに憧れて)という記事を、うっかり削除してしまい、呆然とした次第です。しかし、先ほど、記事を管理する場所で、ゴミ箱をクリック。なんと復元できることがわかりました。現在、公開している同内容の記事と内容的にはほとんど同じですが、私のような初心者ブロガーの方が同じミスをした時のために、復刻版としてアップしました。記事をうっかり削除してしまったら、ゴミ箱を漁れ、です。超初心者の皆様! そこにこっそりと復元を待つ原稿が残っています。期限は30日であります』
『そして、今、新たな問題が、なぜ、こうなったか、全くわかりません! 削除したと慌てて公開した2番目の(ラベンダーに憧れて)が、なぜか復刻版に切り替わり、星印を押してくださった皆様の形跡が消えました。なんというドタバタ。すみません。おおらかな気持ちでお許しください。星をつけ、そして、消えてしまった読者の皆様。本当にごめんなさい』
「そなた。いったい何をしておる!」
「師匠! ご連絡ありがとうございます。もう見限られたかと更新もままならず、困りきっておりました」
「そのまさか、困った挙句に『SNSの危険』とかブログにあげていようとは、一体、どこでどう間違って、そのようなブログに向かった」
「いえ、師匠のお怒りが解けぬことにはブログのネタもなく、致し方のう・・・」
「まあ、窮状は察している」
「さすが、師匠でございます」
「ブロガー心得その1!」
「し、師匠! 庭だけでなくブロガーの心得まで体得なれているとは、感服申し上げます。で、その1とは」
しばし、音信不通。長い長―――い沈黙。ふふふ、今頃、必死になってネットサーフィンで情報を集めているのであろう。Yよ、長いつきあいじゃ。そのぐらいお察しよ。たとえライン歴が私より長くともな。SNSがソーシャルネットワークサービスの略だと記事を書いてから知った私と、どっこいどっこい。こういうとき、年齢を共に重ねてきた戦友に、そこはかとない憐憫の情を感じるが・・・。
「ラベンダーはどうした」
おっ、話題を変えたか。
「ラベンダーでございますか」
「そもそも、ラベンダーが好きで、庭のテーマカラーをブルー系にしたのであろうが。確か、時間移動をするためとか、なんとか、奇妙な戯言を呟いてな」
SF小説『時をかける少女』を読んだのは、遠い遠い遠い昔であります。
幼い私はラベンダーの香りで時間移動できると深く信じました。サンタクロースより長く信じていたにもかかわらず、ラベンダー自体を知りませんでした。ネットなどない時代。その花を想像だけで膨らませていたものです。
その後、図鑑で見て、ああ、これがラベンダー。想像とはまったく違っていました! 華麗な花びらで、たとえばバラのように華やかで、桜のように儚く、そんなイメージを持っていた私は、そのゴツゴツした姿に驚いたものです。実はラベンダー、樹木に分類され草花ではなかったのです。
「ラベンダーですが、奇妙なことが起きております」
「ああ、あのラベンダーか。繁殖力の強いフレンチ系のデンタータ種であろう」
「さすが、師匠。打てば響く話の早さ」
「伸びすぎて手に負えぬようになったか」
「師匠のおすすめで、昨年の4月。大きめの鉢に植えました」
「なるほど」
「そして、師匠のおすすめでないイングリッシュラベンダー、レース系でございますが、5月に手をだしてしまい、やはり鉢に植えました」
「そうか、無駄なことをしたな。イングリッシュ系は湿気に弱く夏にも弱い」
「はっ! そう聞き及んでおります」
「それで」
「そ、それが、誠に申しにくい状況でございまして」
「申せ」
「し、しかし」
「苦しゅうない」
「はっ。ですが、恐れ多くも、師匠に対して、このような結末をお知らせすることになるとは、恐縮至極でございます」
「言うてみぃ、私は心の広い人間だ」
「では、お言葉に甘えて。デンタータ系ラベンダー、枯れました」
「な、な、なんと、あれほど楽なラベンダーを枯らしたか」
「申し訳ございません」
「では、レースラベンダーは聞くまでもない」
「生きております」
ガチャン。切りおった。